社名株式会社ラブキャリア
サービス新規立ち上げ
企業規模51~100名
今回は、キカリ創業当初よりコンサルティングサービスを導入いただいている株式会社ラブキャリア 社長室 室長 山本恵嗣様と、キカリのコンサルタントとして事業立ち上げに携わり、昨年11月よりラブキャリア様のケア事業部 事業部長に就任した佐久間円貞さんに「導入のきっかけ」と「コンサルタント4名体制で黒字化に成功した事業戦略」についてお話を伺いました。
——— 本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。まずは山本様よりラブキャリア様の事業内容とコンサルティングサービスを導入されたきっかけについて伺いたいと思います。
Q.まずはラブキャリア様の事業内容を教えてください。
弊社は2012年に新宿で3名体制からスタートし、設立当初は家電量販店向けの接客販売職の派遣や紹介事業を行っていました。家電量販店のクライアント様がきっかけでコールセンターの案件をいただき、2拠点目として沖縄に出店してコールセンターの事業へ本格参入しました。全く新しい業界でしたが、ノウハウを蓄積しながら大手クライアントとの取引を拡大し、沖縄から逆輸入する形で東京にも進出しました。
さらに大阪、札幌、福岡など地方の主要都市に出店を続け、現在では、社内の事業シェア95%以上をコールセンター事業が占めるまでに成長しました。
Q.事業立ち上げサービスを導入された経緯を教えてください。
コールセンターは労働集約型の産業ということで人は必要になりますが、AIやチャットボックスが発達してくれば需要が変わるため、次の事業の柱を立てる必要があるということを考えていました。
実は4~5年前に一度、医療介護領域の派遣ビジネスの経験者を採用して事業を立ち上げたことがありました。しかしながら、個人のノウハウだけでは事業拡大に限界があり結果、医療介護派遣の事業は頓挫してしまいました。
キカリさんの取締役である溝部さんとは以前から面識があったため、事業立ち上げサービスの提案をいただき、2022年1月より佐久間さん(現:ケア事業部 事業部長)にコンサルタントとして入っていただきました。その後、3月に1名、4月に2名を増員して、コンサルタント4名体制で医療介護派遣の事業が立ち上がりました。
———— 山本様、事業内容と導入の経緯についてお話しありがとうございました。
―― ここからはキカリのコンサルタントとしてラブキャリア様に出向していた佐久間さん(現:ケア事業部 事業部長)にコンサルタント4名体制でどのように事業拡大していったのかお話しを伺いたいと思います。
Q.コンサルタント4名体制でどのように事業を伸ばしていきましたか?
まずコンサルタント4名でエリアを分担して東京・神奈川/埼玉・千葉で2名ずつ配置し、同時に大手クライアントとの接点を活かして基本契約書の締結を進めていきました。順調に売上が伸びたことで大阪に新規出店しましたが、コールセンター派遣のようにお客様1社に対して10名以上派遣することはできないため、緩やかな伸びが続いていました。
そんな中、1つ転機となったのが、官公庁の発熱コールセンター案件を獲得したことでした。手探りの状況で看護師のコールセンター求人を広告に掲載し続けたことで「ラブキャリア=看護」という認知の獲得に成功し、医療介護の派遣会社として大きく名前を売ることができました。コールセンターの案件は約5か月で終了してしまいましたが、認知度が上がったことで看護師さんの応募が増え、時給が高い求人がある会社という風に思ってもらえるようになりました。
看護師は介護士よりも時給が1.5倍高いため、同じ派遣人数でも売上を伸ばすことができます。売上のトップラインを伸ばしたいと考えていた弊社とって戦略にもマッチしていました。
――― 発熱コールセンターをきっかけに看護師派遣が伸びたことが飛躍の要因だったのですね。
Q.売上が伸び悩んだ時期があったと聞いていますが、どのように乗り越えましたか?
先ほどもお話しした通り、医療介護の派遣事業は緩やかに伸びていく事業モデルです。停滞する売上をどのように伸ばそうか考えていた時、介護施設の離職率が高いというイメージを払拭することで、売上アップに繋がると考えました。
具体的には、お客様へのご請求金額はそのままに派遣スタッフさんの時給をアップさせることで、派遣スタッフさんに選んでもらいやすい会社を目指しました。一時的に弊社の利益を圧迫しますが、一度入職した派遣スタッフさんに長期的に就業いただくことで安定的な利益に繋がります。
派遣スタッフさんに長期間、就業いただくことで介護施設からの信頼を獲得することができ、現場が抱えている人手不足の問題を解決することができます。派遣スタッフさんにとっても同じ職場で勤務を継続できることで就業の満足度が高まるため双方にとって良い取り組みだと考えています。
また急な欠員対応や離職者が減ることで一人ひとりのフォローアップ時間に充てることができ、新たな求職者さんの入職へ向けた営業活動に時間を使うことができるようになったことで売上アップに繋がりました。
上記を継続していく中で、過去に登録いただいた方からのお問い合わせが増え、月1~2 名の派遣スタッフさんのお仕事が決定しています。友人紹介にも力を入れたことでお仕事紹介の全体数を増加させることができ、反響の大きさには驚きました。今後もできる取り組みには何でも挑戦していきたいと思います。
――― 派遣スタッフさんと介護施設さん双方からの信頼を獲得できる素晴らしい取り組みですね。
Q.キカリのコンサルタントからラブキャリア様へ転籍した経緯を教えてください。
2022年1月からコンサルタントとして着任し1年10カ月後の2023年10月にようやく黒字化に成功しました。ちょうどその頃に事業継続へ向けて転籍のお話しをいただき、2023年11月にケア事業部の事業部長として着任しました。
コンサルタントでは経験できないような規模の仕事を任せていただき、派遣事業以外での人員やバックヤードの配置など、関わり方がこれまで以上に深くなったと感じています。
――― キカリのコンサルタントとしては初めての転籍となりました。今後のラブキャリア様でのご活躍を楽しみにしています。
Q.メンバー育成で何か実践していることはありますか?
よくメンバーから「応募が来ない」という話があがってくることがあり、なぜそう思うのか聞くと「条件が合わない人が多い」という理由が返ってきます。たしかにそれは事実として起きているのかもしれませんが、本当の現実かどうかは分かりません。
事実と現実は切り分けて考えなければ、本当に起きていることは何のかということに気付くことができません。
売上を上げようという時も、多くの人は「職場見学の設定数」をKPIに設定しますが、どれだけ対応に気を付けていても一定数、キャンセルや辞退は発生してしまうものです。それよりも求職者さんと接触する時の対応はどうか、接続率はどうかという視点で見直すともっと別のところに課題があったということも多々あります。
一点の事象だけで物事を見るのではなく、今あるすべてのリソースを使い果たせているのか、本来やるべきことをやれているかという考えを持ち、全体感の中で事象を見るようメンバーたちには意識させているところです。
Q.最後に今後の目標を教えてください。
現在、ケア事業部は6名の組織ですが、ここからは従業員を採用して育成するフェーズに来ていると考えています。いずれはコンサルタントが不在でも自社だけの力で事業を運営できるようになりたいと思っています。未経験からスタートしたメンバーも多いので、底上げをしながらコンサルタントのマネジメントスキルを高めることも課題です。
今期は昨対比250%で成長することができましたので、来期は200%成長を目指しています。3年10億円の目標には届かないかもしれませんが、引き続きキカリのコンサルタントの皆さんと協力しながら事業を拡大していきたいと思います。
――― 長きに渡りご愛顧ありがとうございます。今後とも期待にお応えできるよう尽力いたします。引き続き、よろしくお願いいたします。
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