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2023.10.20 最新トレンド

人材派遣会社が取り入れるべき「最新ビジネス戦略」とは?

派遣ビジネスを取り巻く環境


派遣ビジネスは社会情勢や景気に左右されすく、その動向を注視して新たな戦略を立てていくことが欠かせません。派遣ビジネスを取り巻く環境変化から、今後10年生き残るために必要な施策について考えていきたいと思います。


少子高齢化など人口動態の変化から生じる社会課題


内閣府が発表した令和5年版の高齢社会白書によると、2022(令和4)年10月1日時点の日本の人口は1億2,495万人で減少傾向にあり、2060年には1億人を下回り9,615万人になる推計が出されています。2005年時点と2050年の推計を構成別にみていくと、生産年齢人口(15~64歳)は約2,869万人減少する一方、65歳以上の高齢者は1,321万人増加する推計で、日本の高齢化は他の先進国と比較しても深刻な状況です。

2070年には高齢化率38.7%となる見込みで、直近では75歳以上の後期高齢者が人口の1/5を占める「2025年問題」も話題となっています。急速に進む高齢化で若い労働力の採用競争が激化していることから、派遣を活用して短期的な人手不足を補おうとする取り組みや、高齢者の再雇用やシニアをターゲットにした派遣サービスが増加しています。

(※内閣府発表「令和5年版高齢社会白書 高齢化の状況」より抜粋)


派遣法・労働関連法規の改正への対応


こうした未曽有の高齢化へ対応するため、社会保障制度の改正が行われ、2022年10月より従業員51名以上の企業まで短時間労働者の社会保険適用枠が拡大されました。これにより従来、加入対象ではなかった派遣スタッフにも社会保険加入が必要となり、派遣会社の利益を圧迫する要因となりました。

パートタイム・有期雇用労働法の改正により、2021年4月からは同一労働・同一賃金の適用範囲が中小企業まで拡大されました。これにより正規雇用と非正規雇用の賃金格差を見直し、非正規雇用の待遇を改善した場合、上乗せ分を派遣先へ請求交渉できなければ派遣会社の利益率が低下してしまいます。

他にも、1年以上の雇用が見込まれる派遣社員の教育訓練が義務化されるなど派遣会社が対応するべき法律は多岐に渡り、利益率をどのように確保していくか対策が求められています。


コロナや世界情勢不安など突発的に訪れる環境変化


2020年のコロナウイルス感染症の世界的大流行により派遣業界は大きな打撃を受け、求人数の減少、緊急事態宣言による不要不急の外出制限、店舗の閉鎖、会社倒産などで派遣社員のみならず多くの人の雇用や労働機会が失われました。

特に販売接客・飲食店では営業時間短縮の影響を受けた飲食店や販売接客業は派遣社員の受け入れができなくなり、仕事を求めた求職者がコールセンターやオフィスワークの仕事へ流れるといったケースがありました。

コロナ禍に影響を受けた業界がある一方で、需要が途絶えることがない医療介護や最新テクノロジーを活用し、在宅勤務が可能なエンジニアはコロナ禍でも比較的影響を受けなかったと言われています。中でもワクチン接種や出入国手続きに関するコールセンターは爆発的な伸びを見せ、派遣先の業界により事業へのインパクトにも大きな差が生まれました。


派遣会社が生き残るためには?


外部環境の変化により派遣会社同士の競争が激化する中、今後10年先も生き残るためにはどのような戦略が必要でしょうか。具体的な施策の事例を紹介していきます。

 



技術革新への対応

AIやRPAを導入することで、派遣ビジネスにありがちな属人的な判断ではなく経験年数によらない情報の判断、効率的な人材マッチングが可能となります。事務作業を自動化・簡素化させることで業務プロセスが改善され、人的エラーの解消、コスト削減といった効果を期待できる他、派遣スタッフ一人ひとりへ向き合う時間が確保することができるため、より質の高いフォローアップが可能となります。また、派遣スタッフの利便性を向上を目的に、オンライン手続きやチャットコミュニケーションを導入する企業が増えています。


多角的な事業展開

派遣ビジネスは利益率が2%前後と低く、利益率の改善が大きな課題となっています。派遣だけではなく紹介予定派遣や人材紹介、アウトソーシング、教育・研修サービスなど、派遣業務以外のサービスを展開することで、利益率の改善が期待できます。また派遣先の業界により利益率や将来性が異なります。成長マーケットと言われる市場で新たな派遣事業を立ち上げ既存事業の売上をカバーしていく備えも必要です。


専門性高い人材の集客と教育研修

介護職やエンジニアなど派遣スタッフの専門性を必要とする求人ニーズが高まっています。専門性が高く、即戦力となる人材を集客するためには、媒体運用を熟知したマーケティング人材を育成・採用する必要があり、エリア、職種ごとに採用単価、稼働単価を見直し、媒体選定、広告費コントロールを管理できる体制が事業継続には不可欠です。

介護職やエンジニア職においても未経験者採用の間口も広がっていますが、専門性高い仕事へ再配置させるには派遣スタッフの教育・研修制度が欠かせず、ランニングコストの増大が大きな課題となっています。


医療介護は大きな成長マーケット


高齢者の人口が増えることにより、介護サービスの需要が高まっていることは前述のとおりです。有効求人倍率をみても、2021年の全職種平均1.13倍ですが、介護サービスに限っては3.6倍保育士や介護支援専門員など社会福祉の職種は2.88倍と全職種平均を大きく上回って推移しています。人材不足を乗り切るため、介護未経験者や無資格者にも採用の間口を広げるなど取り組みも実施されています。



また介護業界の市場規模は2014年に8.6兆円でしたが、2021年に11兆円と4年連続の上昇を記録し、介護サービスのみで10兆円を記録しています。さらに2025年には18.7兆円にまで拡大する見込みで、介護サービス以外の建築、不動産、飲食業界など異業種からの参入や大手企業による買収も増えています。

参考:業界動向SEACH.com「介護業界」

これは派遣ビジネスにおいても同様で、派遣会社の新規事業として医療介護派遣を立ち上げる以外にも、IT企業や介護施設が新たに介護派遣サービスを開始する動きも出てきています。

しかしながら、物流やオフィスワーク派遣の未経験者を対象とした派遣サービスとは異なり、医療介護派遣は資格や専門知識を持った人材の集客が必要で、適切な採用単価、稼働単価はもちろん売上に直結させる事業モデルの構築が欠かせません。

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株式会社キカリでは、医療介護派遣における専門的な知見を活かし、事業計画の立案から営業スキーム構築、派遣スタッフ集客、日々の営業活動、新規出店、中途採用までトータルでご支援しています。事業コンサルタントが常駐し、今あるリソースを最大限に活用した事業モデルをご提案します。

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